YAMAHA Portasound PS-3
想い出の機材編。まずはマイ・ファースト・キーボードである初代ポータサウンドから。
ミニ44鍵、9音色、4リズム。
1981年12月、親にねだって買ってもらった。
当時YMOに入れ込んでいたので、ほんとはシンセ、特にヤマハCS-10(\82,000)が欲しかったのだが、小学生がクリスマスにねだるには値が張りすぎるし、すぐに飽きてしまったら痛い出費なので、まだねだりやすい値段(\36,000)であるコレを選んだ。
自分のしたい事欲しい物と、出資する親の気持ちを天秤にかけてバランスを取る小学生って嫌な感じ。さすがオレ天秤座という所だが、いまにして思うと最初のキーボードがポリフォニックで良かったと思う。
妙な擬似ディレイの効いた「ビブラホン」、ささやかにレゾナンスのかかった「ギター」そして「ブラス」と書いてあるプリセットは、これがブラスだとするとオレはブラスという楽器知らない。プリセット9音色のなかでは「ハープシコード」がお気に入りだったが、これは後のクラビ好きに繋がっているかも。
リズムと連動してバッキングを鳴らす「オートベースコード」機能は、リズムOFF状態で鳴らすとオルガン系のパッド(コード付き)として使えたので重宝した。
エクスプレッションペダル端子は、実は外部音声入力端子として使えたんだけど、持ってた人は知ってるかな?同じYAMAHAのCS01をよく繋いで使ったものです。
自社製品を売り込むことに関して、蛇のようなしつこさを見せるヤマハから当時出版されていた「ポータサウンド・ファン」という雑誌がお気に入りだった。
なかでも最も好きだったのは、「ポータサウンドでYMOを再現する」みたいな記事。
- テクノの複雑なパーカッションを再現するには、内蔵の「ラテン」リズムを倍テンポに
- ボコーダーを再現するには、ハーモニカの低音部に向かって喋ろう(!)
今でも覚えているのはこの二つくらいだが、書き飛ばすにしても無理がありすぎるのではないか。
ええやりましたよハーモニカに向かって「トキオ」って。ていうかそれポータサウンドの使いこなしとは関係ないよね?
私はこの後中学生になり、ダブルラジカセによる多重録音を覚えていく過程で、ややねじれた音楽的基礎を固めていくのでありました。
経年によるボタン部などの劣化で、最後には全く使い物にならなくなってしまったので、実家の建て替えとともに捨ててしまったのですが、いつかもう一度買い戻し、マイクロコルグと並べてみたいですな。