KORG M1

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説明不要の大御所シンセ。世界一売れたらしい。よく壊れる。


これまでたびたび名前が出てきたファンクラ大臣*1と、打ち込みのユニット*2をやり始めた91年頃、互いの家で同じシーケンスが鳴った方が良いだろうという、あまり積極的でない理由で購入した楽器。
個人売買で中古を12万ほどで買ったのだれど、いざモノを見てみたら外装が傷だらけ。「シンセをナイフで切り刻む癖」のある人から買ってしまったのかと思った。今に至るまで、あんな傷だらけのM1を見たことがないので、考えうる限り最低品質のM1に当たってしまったのでしょう*3


流石に一世を風靡したシンセだけあって、「この音この楽器」と呼べるサウンドがいくつもあり、俗に「M1ピアノ」と呼ばれるピアノ、ピックベース、アルトサックスなどはいまでも需要があります。
エフェクトを内蔵したことも当時の売りのひとつで、それを強調したかったのか、なんかどのプリセットも風呂屋の如きリバーブがかかっています。音色のエディットを始めるとき、まずリバーブを下げるところから始めたものです。


8ch分のマルチ音源として機能するM1の導入により、この時期の私の打ち込みはほぼM1のみで完結していました。やはり人間、楽な方に楽な方に流れるので。
とは言え、当時すでに「レゾナンス・ルネッサンス」が始まっていた自分の中で、レゾナンスがかからないM1に対する冷めた気分が増幅されてきており*4、次第にオケの中でのM1の割合が減っていき、変わってエンソニックの出番が増えてきていました。


その後、SC-55mkIIなどの便利なDTM用音源を購入したことにより、私のM1は、打ち込み音源の中核→特定の音色が必要な場合に使う音源→マスターキーボード→キーボードスタンドの肥やしと、その役割を変えていきました。パネル上のボタンは殆ど接触不良となり*5、購入時からの傷もあって売りにも出せず、98年の引越し時に粗大ゴミとして棄てました。


私にとってのM1は、「生まれてはじめて棄てたシンセ」です。出会いが幸せでないシンセとは、別れも幸せには迎えられないのですね。

*1:http://fkd.fc2web.com/

*2:女性ボーカル+打ち込みという、この後王道となっていくスタイルのユニットでした。

*3:ボタンの接触が生きていただけマシか。

*4:マルチモードで聞かされる、スッピン状態のパッチのセコさも萎えの原因と思われる。

*5:すべてのM1において避けられない劣化。