CASIO FZ-1

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検索結果に何故か載ってるスズメの写真がカワイイ。


多分88年入手。
高校の友達にひとりシンセ好きがいて、彼が「FZ-1は難しいから、もっと簡単なサンプラーが欲しいんだけど、なんかある?」と訊いて来たので、「それならオレがもってるRoland S-10が素晴らしく簡単だに(三河弁)」とそそのかして、交換してもらいました。今思うと申し訳ないくらい、不釣合いな取引。
12ビット、定価115000円、使用感バリバリのS-10と、16ビット、定価298000円、ほぼ新品のFZ-1。まず話を持ちかけられた時に疑問を抱かなかったのだろうかM君。


気に入ってたS-10を手離して入手したFZ-1。流石にできることのレベルが違う。パ、パラアウトですか!?フロッピーも3.5インチじゃないですか!
しかし、カタログに載っている仕様は大変豪華なものの、カシオ特有の詰めの甘さがある楽器でした。
メニューの階層構造が大変分かり辛く、サンプリングからその音のエディットまでの道筋がどうにも理解しにくい。
エディットもなんか変で、リリース最短値だと離鍵時にクリックノイズみたいなのが乗ります*1。ならばと数値を1変えてみると、途端にだらしの無い残響感がついてしまい、いかんともしがたい。その数値1の間に、あと5段階くらい欲しい。
という感じで、高機能な楽器ではあるものの、どうしても気に入ることができず悶々としていたところに事件は起こりました。


ある日、いつものように近所の楽器屋にいってみると、RolandのS-10が中古で2万くらいで売られていました。ああS-10か、そういえばオレ持ってたな、いい楽器だったな、と思いよく見てみると、フロッピードライブの辺りにマジックテープを剥がした跡が*2。もしやと思い、クイックディスクのラベルを見てみると、「CS01lead」「D-50calliope」と見覚えのある字で汚く書いてあります。そう、オレの持ってたS-10でした。FZ-1と交換してからそれほど日にちは経っていません。M君が速攻で売っていたのです。
言っちゃなんだけど、なんて要領の悪いM君。売るんだったらFZを売った方が余程お金になったのに。
結局、当時サンプラーを持っていなかった友達(以下イニシャルでF.Dと呼びます)に買わせて、無事「我々サイド」にS-10を奪還したのでした。
その後、やっぱりFZが気に入らない私は、F.DのS-10と私のFZを交換してもらいました。結局私の元にS-10が残ったという、なんだか教訓を含んでいそうで含まないエピソードだったのですが。


そしてFZ-1は、雑誌だかどっかの「売ります」欄経由で、結構いい値段で売れたらしいです*3。一番得したのは、F.Dですね。


FZ-1に関して最後にフォローしておくと、テイ・トウワがディー・ライト初期に使い倒したサンプラーです。手綱を引く人のセンスと根性で、名機にも迷機にもなるのですね。

*1:ビンテージのエレピじゃないんだから。

*2:ちょうど良い感じに空いているスペースだったので、BOSSのちっこい2チャンネルミキサーを貼って使っていたのです。

*3:話のディテールを覚えてないので、コメントしてくれると嬉しいなあ、FンクラD臣さん。