Roland S-10

roland s-10

5/12:GWの帰省で撮った写真です。

サンプルトーンでは飽き足らなくなってきた頃にローランドから発売されたサンプリングキーボード、S-50/S-10。安物好きの私の魂の暗部を狙撃したのは当然S-10の方でした。
サンプルトーンのガスガスな音質に慣れた耳に氷水をぶっかけるような30KHzの(当時は)高品位なサンプル。175000円という届きそうな価格。なんとか持ち運べそうな重さ大きさ。サンプルトーンと違って音を保存できる!これ買えば、オレのすべてがバージョンアップ!ムキムキでモテモテだ!(←飛躍)
今考えると175000円はかなり高い気はするけど、「バイトでなんとかなる」と思い込んだ高2当時の私は、ハヤシ楽器にて衝動買いをしてしまったのでした。月賦ローン三昧です。

S-10を買ってまずハマった遊びは、「リバース下ネタ」。
これは、まずチンポとかマンコとかの下品なフレーズをローマ字で書いて、それを逆に読んだ声をサンプリングし、サンプラー上でリバースして元の言葉に戻す遊び。
たとえば、「オマンコ」なら、ローマ字で書くと「OMANKO」。これを逆に綴ると「OKNAMO」ですね。そう、サンプラーに向かって「オクナーモ!」と叫んでサンプリングですよ。
そして出来たサンプルをリバース。たちどころにカタコトの「オムア〜ンクォ」の出来上がり。これで3日は遊べました。若かったから。

下ネタでサンプリングの深さを味わったあとは、自分が持ってないシンセの音をサンプリングです。こういうのも「デジタル万引き」なんでしょうか。練習スタジオのD-50、友達のJUNO-106、DW-6000。次から次へと盗むサウンドエッセンス。増えるクイックディスク。当時10枚4500円。高えー!

実用的な部分での恩恵としては、スプリットやレイヤーが簡単に組めるのでライブで大活躍してくれました。家でDXとCZの音をサンプリングしてスプリットを組んでおき、S-10だけでライブに出たり。CS01をサンプリングしてポリフォニックで弾けるのも嬉しかったな。
同時発音数を犠牲にしてしまうものの、偽ディレイや偽コーラスも使えるので、下手すりゃエフェクターもいらないお気軽さ。いろんなキーボード買ったけど、こいつほど「便利」と思って使ったのは無かったです。

あと、なんかコレ、音良かったんだよね。もちろんレートは今のサンプラーに比べて圧倒的に低いし、12ビットだし。でも、なんだか良かった。「実用的な鳴り」というか。

こんな感じで、サンプラーならではの使い方と言うよりは、「便利なライブ用キーボード」として使い倒した1台。
一度手離したものの、紆余曲折を経て再び私の手元に戻り、今でも実家に置いてあります。

ローン支払ってる最中に、定価が175000円から115000円に下がったのは痛恨の一撃でした。