CASIO CZ-101

CZ-101

「ミニ鍵シンセ名機説*1」に名を連ねるコイツ。
「PD音源」という独自形式で音を作るシンセです。PD音源に関する詳しい説明は下記のGoogle検索結果からどうぞ。
http://www.google.co.jp/search?q=cz-101+pd%E9%9F%B3%E6%BA%90&ie=UTF-8&oe=UTF-8&hl=ja&lr=

86年に60000円ほどで購入。
高校生になり、バイトなどを始めた私。ライブも頻繁に行うようになり、そろそろ2台目のポリシンセが欲しくなりました。
とは言え、前述のDX7編でも述べている通り私が唯一持つ移動手段は自転車。DX7と一緒に運んでも負担にならない事は、購入機種選定の上で外せない条件でした。

そんな私の心にスッと忍び込んできたCZ-101。値段も当時のデジタルシンセとしては大変安く、既にミニ鍵盤好きを自認していた私がこれに手を出さない理由はありませんでした。

やたらに癖のある音も魅力で、チープながらも暖かみのあるブラス、アナログとはまた違うレゾナンスの効いたベースなどは、CZにしか出せない音でした。

この頃のデジタルシンセは、エンベロープのポイント数をやたらに増やす傾向があり、CZシリーズは8ステップ。組み方によっては偽シーケンスや偽ディレイも作れるこのエンベロープは、面倒ながらCZの売りでした。

「8音ポリフォニック」を謳っていますが、DCOを2系列使うと4音ポリフォニックになってしまうので、事実上「ほぼ4音ポリ」と言ってしまって良いでしょう。

当時のライブでは、DX7の上にCZを置いて使っていました。
キーボードスタンドは1段のやつしか持ってなかったので、まずCZの元箱に付いてきた発砲スチロールを、DX7のパネルを邪魔しないように置いて、その上にCZを載せるという、貧乏くさいセッティング。演奏中ノッてくると、よくCZが落下したものです。それでも壊れないCZが好きでした。

後に、KAWAIのQ-80というシーケンサーを購入するのですが、マルチ・ティンバーが一般的でなかった当時に、4マルチのモノシンセとしても使えたCZは大変重宝しました。

しかし欠点も多々ある楽器で、鍵盤の右に付いてる押しボタン式の電源スイッチは、グリッサンド時に勢いあまって押してしまったり、ソフトケースの中で勝手に押されたりと、大変不便でした。オートパワーオフによりライブ中電源が切れていることもありました。
鍵盤の質も悪く、新品で買ったにもかかわらず場所によって戻り方に差がありました。
CASIOの楽器はこの後もいくつか買いましたが、こういった使い勝手が今一歩練れていない気がします。

個人史においては、何故か液体系のダーティなエピソードが多いシンセです。

  • ソフトケース内にネコがションベンした。そのせいで、あるライブの打ち上げをネコション臭で台無しに
  • ソフマップに売ろうとして持っていったが、電池が液漏れしてて買い取ってもらえなかった
  • 最近また液漏れして、ソフトケースからその液が滲み出て絨毯を汚した

ソフトケースは捨てました。
先日久々に電源入れてみたところ、当然メモリーは吹っ飛んでおり、音を作ろうとしても、何故か文字化けしているパラメータがあったり、数値部分が数字じゃなかったりと、もう脳の芯からいかれたぼくのBABY。

まあ、いろいろ欠点はあるものの、音は気に入っているので、こんな状態でなければ、もっと使ってやりたいシンセなのですが。

*1:自説。CS01、CZ-101、DX100、MicroKORG...ホラ、名機ばっかり!